介護の人材育成、うまくいかないのは「時間とお金」だけが原因じゃない
- 7 日前
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介護現場における人材育成について、
「時間がない」「お金がかけられない」「集まれない」
という声をよく耳にします。
もちろんその理由はよく理解できますし、現場の過酷な状況を考えると一概に責めることもできません。
しかし、同じ状況の中でも工夫を凝らしてしっかりと人材育成に取り組んでいる事業所があるのも事実です。
問題は、忙しいかどうかや資金があるかどうかだけではないのです。
では、本当の問題は何でしょうか。
実は、もっと根本的な問題があると私は感じています。
それは「教える側の力量」の問題です。育成のテクニックや仕組みより先に、指導する立場の人間そのものを問い直す必要があると感じています。
現場の質が薄まっている
介護保険制度がスタートした2000年前後、最前線で働いていたベテランたちが少しずつ現場を離れていきました。
その方々が長年かけて培ってきた介護の技術・哲学・姿勢が、いわば「感覚知」として暗黙のうちに受け継がれてきた部分がありました。ところが、介護施設の急増と時代の流れの中で、その感覚知の伝承が途絶えてしまっているケースが少なからず見られます。
次世代に伝えるべきものが伝わっていない。教える側のキャリアや力量が薄まっている事業所が増えている——これが、人材育成がうまくいかない根本的な原因の一つだと私は感じています。
育成の「方法やテクニック」を磨くことは大切です。マニュアルを整備したり、OJTの仕組みを作ったりすることも重要です。しかしそれよりずっと重要なのは、
教える側が介護に対する深い知識とビジョンを持っているかどうかです。
管理者・主任・指導担当の皆さんに、改めて問いかけたいと思います。
介護を学び続けていますか?最新の介護の知識にアップデートし続けていますか?
介護のあるべき姿やビジョンを、自分の言葉で語れますか?
新人スタッフに「あの人みたいになりたい」と思ってもらえるだけの力量が備わっていますか?
学ぶ環境はすでに手の中にある
かつては研修会に参加したり専門書を読んだりするためには、それなりのコストと手間がかかりました。しかし今は違います。スマートフォンさえあれば、YouTubeで最新の介護知識を学んだり、Amazonで手に入りにくい介護の名著を探したり、Zoomやオンラインサロンでリアルタイムにプロと繋がったりすることができます。
オンラインセミナーの数は、コロナ禍を経て爆発的に増えました。
学ぼうとする意志があれば、学べる環境は整っています。問題は「学ぼうとしているかどうか」です。
コロナ禍を経て、情報を積極的に取りに行く人とそうでない人の差は、以前にも増して広がっています。事業所間の格差が広がっているだけでなく、個人レベルでの意識の差も顕著です。この格差は、やがて職場環境の差となり、そして「選ばれる施設かどうか」の差として現れてきます。
まず、教える側が自ら学び続けること。それこそが、新人育成の最初の一歩です。指導のスキルを身につける前に、まず自分自身を磨き続ける姿勢を持つことが大切ではないでしょうか。



