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小森塾 介護指導員
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執筆者

小森 敏雄

合同会社小森塾 代表 / 介護講師

2002年に介護福祉士を取得し、介護現場へ就職。准看護師資格取得後は、介護主任・生活相談員・看護助手など幅広い現場を経験。20代半ばから養成校や資格取得講座で講師を務め、2017年に介護講師として独立。2021年に合同会社小森塾を設立し、介護福祉の本質と、根拠を語れるプロの育成に取り組んでいる。

詳しい紹介はこちら ▶https://www.komorijuku.jp/ourstory

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「根拠があれば、苦手な私でも語れる」障害福祉一筋25年。介護講師への一歩で見つけた“伝える”自信

17 時間前
読了時間: 7分

障害福祉の現場で25年。人前で話すのは今も苦手だというI様が、実務者研修教員講習会で手にしたのは「根拠があれば語れる」という手応えでした。 講師になれるかどうかより先に、学び続ける場所を選んだ理由を伺いました。


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中学生の職業体験で決めた道。25年、障害分野ひとすじ

小森:まずは自己紹介をお願いします。

I様:障害者支援の施設で25年ほど勤めています。元々は短大で保育士の資格を取って、介護福祉士は取ってから20年弱くらいです。法人には児童や相談の事業もあるんですけど、私はずっと障害分野ばかりで。他に何もできないって感じです(笑)。

小森:保育士から障害分野へ。何かきっかけがあったんですか?

I様:中学生のとき、職業体験ってありましたよね。たまたま今勤めている施設に行って、障害のある方の支援ができたらいいなって、中学生なりに思ったんです。調べたら、保育士の資格があればその法人に入れるとわかって、保育の資格を取りました。

I様:就職氷河期世代で、最初は先に決まった公務員をやっていたんです。でもやっぱり障害の方をやりたくて、新しい施設ができて大量募集があったときに入職しました。

小森:介護福祉士は、その後に取ったんですね。

I様:障害分野をやっていく中で、介護の技術が必要だとわかってきたんです。保育士の、児童の知識だけでは足りないなって。子どもを産んで産休・育休に入っているときに少し時間があったので、独学で勉強して取りました。

12〜13歳で決めた道を、そのまま25年歩いてきたI様。一つの分野を続けてきた重みが、言葉の端々から伝わってきます。


一人ひとり違うから、「統一した支援」は難しい

小森:25年の中で、悩んできたことを聞かせてください。

I様:今も定期的に出てくる悩みなんですけど、一人ひとり障害特性も年齢も違うので、同じ支援をいろんな方にしても効果的じゃないんです。スタッフもいろんな方がいるので、統一した支援をするのがなかなか難しくて。今でもちょいちょい壁にぶち当たります。

I様:あとは意思決定支援ですね。障害があっても夢を叶えたいという方は、もちろんいらっしゃいます。でも、すぐには難しいこともあるじゃないですか。たとえば糖尿病があるのに、ケーキをお腹いっぱい食べたい、とか。「じゃあ買ってくるね」とはいかないですよね。

小森:本人の希望と、健康や安全の間で考え続けないといけない。

I様:はい。できるだけ夢や希望を実現するお手伝いをしたいので、どうしたらできるかを考える。それがやりがいでもあり、難しさでもあると思っています。

高齢介護と障害福祉は、制度も言葉も違います。それでも「その人が望む暮らしをどう支えるか」という問いは共通しています。


アンケートの「イエス」から始まった学び直し

小森:小森塾を知ったきっかけは何でしたか?

I様:インスタで小森先生の投稿を見て、すごく興味があったんです。そうしたら先生がアンケートで「介護講師に興味があるか」というのをされていて。絶対やってやる、というほどではなかったんですけど、ちょっと興味がある、くらいの軽い気持ちで「イエス」を押したら……。

小森:僕からDMを送ったんですよね(笑)。

I様:そうなんです。話を聞いてくださって。講師になれるかどうかは、自分の資質的に正直疑問でした。でも、学び続けていないと腐っていくじゃないですけど、「これでいい」とは思えなくて。

I様:福祉業界も制度が変わっていくし、技術の革新も進みます。障害分野の制度は高齢者分野の後を追うようなところが多くて、共通する部分がたくさんあるんです。だから、勉強させてもらいたいなと思いました。


通信講座では腹落ちしなかった言葉が、対面でつながった

小森:実際に受講してみて、どうでしたか?

I様:学び始める少し前がコロナ禍で、私はかなりの地方に住んでいるので、実務者研修の教員資格を取る講座は通信が多かったんです。最初はそれで受けようとしていました。でも高齢分野は障害分野と違うところもあって、専門用語がちょっとちんぷんかんぷんで。通信だと言葉の意味がわからないので、腹落ちしないんです。

I様:小森先生の講座では、対面で座学だけじゃなく、演習でボディメカニクスなども丁寧に教えていただけました。先生がよくおっしゃる「根拠を語れる」ということを、肌で感じることができました。

小森:それまでに、外部で対面の研修を受けたことはありましたか?

I様:職場の研修はありました。でも、万人にわかる表面的な勉強はあっても、実際に現場で使える内容はあまりなくて。だから衝撃も受けたし、すごく勉強になりました。

「なぜその介助をするのか」を言葉にできること。 小森塾がすべての講座で大切にしているのが、この「根拠」です。手順を覚えるだけでなく理由とセットで身につけるから、分野や現場が変わっても応用がききます。


「根拠があれば語れる」。苦手だった“伝える”が変わった

小森:受講してから、仕事の中でどんな変化がありましたか?

I様:人前で話すのはすごく苦手で、今も苦手なんです。でも、根拠を持って話すこと、自分の経験や、しっかり学んで苦労して獲得したことなら、自信を持って話せるとわかりました。だから、苦手でも挑戦していこう、トライしていこうという気持ちが生まれました。

I様:教えるのもうまくないと思っていたし、今でも思っています。でも、エビデンスがあればしっかり語れる。 教えるとはちょっと違うかもしれないけど、相手に伝わるようにという気持ちを持って喋れる。それがわかったのは良かったです。

小森:講師に向いていないと言いながら、今日は一度も詰まらずに話してくれていますよ。

I様:いえいえ、聞き方がいいからですよ(笑)。


研修で出会った仲間が、今の支えに

I様:もう一つは、研修の中でリーダーとしての在り方を学ぶ機会があったことです。直接仕事に生きていると思います。それと、一緒に学んだ仲間がいてくれること。介護や福祉のことはもちろん、「こういうところに行ったよ」と情報交換をしたり、悩んだときには一緒に考えてくれたり。お互いにいい刺激を与え合える仲間に出会えました。

小森:オンラインコミュニティに入って、どれくらいになりますか?

I様:まだ1年くらいですね。今は情報が溢れている時代なので、勉強したいと思っても、質の良いものを選び取るのは難しいと思うんです。無料でも結局……ということもきっとありますし。だから、すごくお勧めできます。


くすぶっている人へ。「違う場所での経験も、きっと生きる」

小森:最後に、これから介護の仕事に入りたい人や、今くすぶっている人へ一言お願いします。

I様:私もずっとくすぶっていて、よく道に迷うんです。でも、いろんな経験は絶対どこかで生きてくると思います。今この業界にいない方も、福祉じゃないところで学んだこと、獲得したことは絶対に生きる。私は逆にこの業界しか知らないので、そういう方から学べることもたくさんあると思います。

I様:そういう経験がある方のほうが、利用者さんの豊かな生活を考えていけるんじゃないかな。私も失敗ばかりですけど、それも大事なことだと思います。

「苦手」と言いながら、一つひとつ言葉を選んで丁寧に語ってくれたI様。根拠という支えがあれば、人は自分の経験を誰かに手渡せるようになります。その一歩を、これからも一緒に積み重ねていきたいと思います。

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