介護現場の「気づける人」と「気づけない人」問題。
現場でよく聞く話ですが、これ性格の問題だけではないと思います。
気づける人は、たまたま経験が長かったり、教育を受けてきただけ。 気づけない人は、ただ教わってないだけ。(もちろん元来の能力も関係しますが)
なのに「あの人はセンスがあるから」「あの人は気が利かないから」で片付けてしまう現
場、多くないですか?
例えば、おむつ交換。
気づける人は、皮膚の赤み、便の性状の変化、いつもと違うにおい、本人の表情の変化まで
見ています。 「あれ、いつもより便が緩いな」 「このかぶれ、昨日はなかったな」
こうした小さなサインを拾って、記録に残したり、看護師に伝えたりします。
一方、気づけない人は、決められた手順通りに交換して終わり。 サインがそこにあっても、見ていないので気づけません。
これは、気づけない人が悪いのではありません。 「何を見るべきか」を教わっていないだけかもしれません。
食事介助でも同じことが起きます。
気づける人は、いつもよりむせる回数が多い、食べるスピードが遅い、口の中に食べ物が残
っている、といった変化に気づきます。 気づけない人は、決められた量を決められた時間
で介助して終わり。
どちらも悪気はありません。見るべきポイントを教わったかどうかの差です。
気づけない人の中には、悪気なく本当に習ってないだけの人もいます。それを「センスがな
い」の一言で終わらせるのは、正直もったいないです。
教育はしっかりされてますか? 教えてもいないのに「気づけ」というのは、ただの根性論
です。

そして、仕組みがあいまいな組織ほど、個人の善意とセンスに頼りがちになります。
善意に頼る施設は、善意が枯渇した時にまともな人から辞めていきます。
気づける人ばかりに負担が集中し、気づけない人はそのまま放置される。 結果、気づける人=まともな人から辞めていく。
まともな人が辞めると、現場はさらに気づけない人だけが残ります。 そうなると利用者さんの小さな変化を拾えなくなり、事故やクレームが増え、また新しい人が辞めていく。
この悪循環、心当たりのある方も多いのではないでしょうか。
必要なのは、善意じゃない。 仕組みとルールです。
・おむつ交換や食事介助など、場面ごとに「何を見るか」をチェックリスト化する
・気づいたことを共有する仕組みをつくる
・気づいたら報告するというルールを決める
・その報告を拾い上げて動く体制を整える
この4つを、現場の当たり前として整備することが大切です。
チェックリストや報告ルールは、一度作って終わりではありません。 現場で使ってみて、抜け漏れがあれば見直す。そうやって育てていくものです。
仕組みとルールがあれば、気づける人だけが疲弊することもなく、気づけない人も何を見れ
ばいいかが明確になります。

そしてこの仕組みとルールを、ちゃんと守る文化があるかどうか。
どれだけ立派なチェックリストを作っても、忙しさを理由に誰も見なくなれば意味がありま
せん。守られて初めて、仕組みは現場の力になります。
ここが弱い現場は、間違いなく「まともな人から辞める現場」になります。
気づける・気づけないは、性格でも才能でもありません。 仕組みとルールで、誰もが気づける現場に変えていく。
それが、まともな人が長く働ける現場をつくる第一歩です。
皆様の現場は、仕組みとルール、整っていますか?
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