「“こんな感じで”しか教えられない自分に気づいた」介護歴17年の主任が、学び直しを選んだ

38歳で介護の世界に入り、17年。 特別養護老人ホームで介護主任を務める平賀様は、新人を育てる立場になって初めて「自分の言葉で教えられない」ことに気づきました。 アップデート介護福祉士講座で取り戻した、介護職としての確信について伺いました。
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人によって違う「正解」。教わったやり方に、ずっと迷っていた
小森:まずは自己紹介と、介護の仕事を始めた頃のことを聞かせてください。
平賀様:愛知県の特別養護老人ホームで介護主任をしています。介護職になったのは38歳のときです。最初にしっかり勉強してからというより、当時のヘルパー2級の講座を受けて、そのまま現場に入りました。
平賀様:今、小森先生の研修をいくつか受けて「やっぱりこういうことだったんだ」と思うのが、最初についた人によって教えてくれる内容が違ったことです。「私はこういうやり方」「私はこういうやり方」って。
小森:教える人ごとに、やり方がバラバラだった。
平賀様:入りたての頃は覚えるのに必死なんですけど、少し余裕が出てくると「このやり方でいいのかな」って。そもそも教えてくれた人は、どこかで正しいやり方を習ったのかな、と思うようになりました。
小森:今の職場では、どんなことに悩んでいますか?
平賀様:今の施設には立ち上げから関わっているんです。本当に初めましての職員同士で始まったので、「この施設はこういう介護を目指そう」という気持ちが、今もなかなか一つになりづらくて。そこは今も悩んでいるところです。
「ユニットケアって何?」から始まった立ち上げ
小森:そこから、どういう流れで小森塾にたどり着いたんですか?
平賀様:今の施設は、ユニットケアをやっていくということでオープンしたんです。でも、そもそも「ユニットケアって何?」というところから始まって。前の施設でも、入ったときに「これからユニットケアをやるから人が欲しい」と言われたんですけど、説明は「一人ひとり個別に」「パートさんもユニット固定で」というくらいでした。
平賀様:今の施設は10ユニット・100床で、立ち上げのときに10人のユニットリーダーが、全国にあるユニットリーダー研修施設へ学びに行きました。私も後から受けたんですけど、受けただけではなかなか自分の中に入ってこなくて。現場もリーダーも施設長も、それぞれ悩んでいたと思います。
説明のないまま、現場に戻らなければならなかった
平賀様:その頃、施設の中でケアのあり方が問われる出来事があったんです。私はユニットリーダーになっていて、私も同じユニットの若い職員も、「自分のケアが悪かったのかな?」「あの時どうすればよかったのかな?」とすごく不安になっていて。
平賀様:でも、リーダー会議の場で、何が原因だったのか、どうしたら改善できたのか?上司に質問をしても、詳しい説明や解答はありませんでした。私から「職員が不安に思いながら働いています。分かる範囲でいいので教えてください」、とお願いしたんですけど、はっきりした答えはもらえなくて。曖昧なままでした。
何が良くて、何がいけなかったのか分からないまま、ケアを続ける現場に戻らなきゃいけない。どういう気持ちで仕事をすればいいのか、本当に分からなかったです。
小森:現場を預かるリーダーとしては、つらい状況ですね。
平賀様:正直、すごく腹が立ちました。でも同時に、その会議で私自身も「こういうケアが問題だったんじゃないか」と、具体的に一つひとつ言えなかったんです。結局、私も介護を知らないじゃないか、言語化できないって思いました。
小森:そこで自分に矢印を向けられるのは、なかなかできないことですよ。
新人に「こんな感じで」としか教えられなかった
平賀様:その後、ユニットリーダー研修にもう一度行って、研修施設のユニットケアを見て「こんなふうにできるんだ」と感動しました。同時に、自分のユニットも悪くない、できているところもあると気づけたんです。だから、ユニットリーダーとして、学んだことを自分のユニットで生かそうと決めました。
平賀様:そんなときに、高校を卒業したばかりの新人を「ここで育ててほしい」と任されたんです。いざ教えようとしたら、「これね、こんな感じでね」と言っている自分しかいなくて。
小森:新人の頃に疑問に思っていた教え方を、自分もしていた。
平賀様:そうなんです。ちゃんと自分の言葉で教えられない。この子に伝わるのかなって。もっと言葉で教えたいのに、なんて言っていいか分からない。これはいけないな、と思いました。
インスタでたどり着いた、「アップデートしていますか」の一言
平賀様:研修施設の方に「インスタをフォローしてね」と言われてフォローしたら、その研修施設が小森先生をフォローしていたんです。どんな人だろうと見ていったら介護講師の方で、YouTubeも見るようになって。
平賀様:「介護福祉士は持っているけど、アップデートしていますか」という呼びかけに、「あっ」と思ったんです。名古屋なら日帰りで通えると思って、自分で申し込みました。
「当たり前のこと」を言葉にしてもらえた安心感
小森:実際に受けてみて、どうでしたか?
平賀様:それこそ先生に叱られそうなくらい、言語化がなかなかできないんですけど(笑)。先生はいつも「基本のことしか言ってない、当たり前のことしか言ってない」っておっしゃいますよね。
小森:本当に、当たり前のことしか言っていないんですよ。
平賀様:でも、それをちゃんと言葉で言ってくれるから「やっぱりそうだよね」って。なんとなく芯の部分では分かっていたのに表せなかったことが、「本当にそうだよね」とつながるんです。
平賀様:「そんな言い方して」「そんな無理なことして」と感じても、周りから「そんなことしてると終わらないから」と言われて。かわいそうだけど、介護現場ってこういうものなのかな、と思ってきたことがありました。私の思っていた感覚は正しかったんだ、と自信が持てたのが大きいです。先生の言葉がすっと素直に入ってくるのは、先生の人柄もあると思います。
時間に追われる現場では、「本当はこうしたほうがいい」と分かっていても、周りに合わせてしまうことがあります。誰かが根拠をもって言葉にすることで、一人で抱えていた違和感が「正しかった」と確かめられる。それも学び直しの大切な役割です。
「この人、現場を知っているのかな」と思わなかった
平賀様:それまでの研修は、施設から「受けてきなさい」と言われて行く、数千円くらいのものが多かったんです。安いからどうというわけではないし、いい先生もいます。受け取る私もぼんやり行っていたのかもしれません。でも、教科書どおりの話を聞くと「この人、現場の経験あるのかな」と思ってしまう自分がいて。
平賀様:小森先生の言葉には、そう思ったことが一度もないんです。そこが一番の違いだと思います。
「介護職です」と胸を張れるようになった
小森:受講してから、一番大きな変化は何ですか?
平賀様:介護の仕事に対する意識がすごく変わりました。まだ分からないこともいっぱいあるので、繰り返し受けたいんですけど、「これでいいんだ」と思えるようになって。心の部分だけでなく、技術も教えてもらえるので、そこも含めてです。
平賀様:日々の「業務」をこなすだけになっていたのが、介護職は専門職なんだ、自分で考えて実践していく仕事なんだという意識が、はっきり芽生えました。
小森:その言葉が、僕が一番届けたかったことです。介護はただのお世話ではなく、技術を持った専門職にしかできない仕事ですから。
出会った人が、一人でも変わってくれたら
小森:最後に、伝えておきたいことはありますか?
平賀様:現場には、ただ時間をこなすように働いている人もいます。でも、その人を変えようというんじゃないんです。私自身が今「介護職です」と胸を張って言えるようになったので、私と出会った人が一人でも二人でも、そういう人が現場で増えていってくれたら嬉しいなと思って働いています。
小森:人を変えることはできなくても、出会ったその人が自分で変わることはできますからね。
新人に「こんな感じで」としか言えなかった悔しさから、自分で講座を探し、学び直しを選んだ平賀様。主任として現場に立つその姿が、これからまた誰かのきっかけになっていくはずです。
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