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介護講師になるには、施設の管理者や主任経験が必要なのか?

  • 2025年8月5日
  • 読了時間: 5分

こんにちは。介護講師の小森です。


今日は少し突っ込んだテーマで書いていきます。

「介護講師になるには、現場の管理職経験が必要なのか?」という話。


結論から言えば、**「絶対に必要とまでは言わない」けれど、あった方がいい。むしろ、あったほうが説得力が段違い。現場で信頼される講師になりたいなら、管理職経験は武器になる」**と、私は思っています。


その理由を、いくつかの視点でお話ししていきます。





◆ 人材育成をしていない人の言葉は、どこか軽い


私が介護講師として現場に呼ばれて研修をするとき、必ずと言っていいほど

「主任さん」や「管理者さん」と話す機会があります。

彼らは日々、人材育成やスタッフ指導に追われています。

介護技術も、記録も、接遇も、業務改善も——。


その人たちに対して講師として話をするには、「現場の教育に本気で向き合ってきた経験」がないと、言葉が薄っぺらくなってしまう。


一度でもいい。

誰かを育てようと本気で向き合って、うまくいかずに悩んだ経験。

指導がうまくいかずに相手に辞められた経験。

その葛藤や、うまくいった成功体験。


そういう積み重ねが、講師としての言葉に「重み」を与えてくれます。


逆に言えば、自分が教育の現場に関わっていないまま、人の育成について語ると、やはり浅く見えてしまう。

「本当に現場でやってきたの?」と、受講生や施設職員の目は意外と鋭いんです。


◆ マネジメント経験がないと、受講生と同じ目線で愚痴ってしまう


これは私が実際に見た、大手研修会社の講師の話です。

その方は現場経験は長いが、ずっと一般職員だったようで、マネジメント経験はなかったそう。


その講師が、研修中に受講生と一緒に「上の人ってわかってないよね〜」みたいな空気で話をしてしまった。


一見、受講生と仲良くなれてるように見える。

でも、私はその空気に違和感を覚えました。


なぜなら、受講生の「悩み」や「不満」に対して、共感で終わっていたからです。

講師としては、そこに一歩踏み込んで、「なぜそういう状況が生まれるのか」「どうすれば改善できるのか」を伝えるべき。


でも、マネジメントに関わったことがないと、組織運営の視点が育っていない。

だから共感はできても、建設的な提案ができない。

結果的に、研修の内容が「あるある愚痴大会」で終わってしまう。


講師は、受講生と同じ目線だけで終わってはいけません。

もう少し高い視点——現場を俯瞰して見られる視座を持っていないと、講師としての「価値」は低くなってしまうと思います。


◆ 受講生の中には、管理者や主任もいる


これは盲点になりがちですが、研修を受ける側の中にも、実は「現場の管理職」や「ベテラン主任層」が混じっていることがあります。


そういった人たちは、日々矢面に立ち、職員指導やクレーム対応、制度の板挟みに苦しみながら、組織を守っている立場です。


そのような人たちは、講師が現場の矢面に立ったことがあるか、スタッフ育成に本気で向き合ったことがあるか、ということを敏感に見抜きます。


「この人、マネジメントやったことないな」

「話してること、理想論っぽいな」

そう感じ取られた瞬間に、講師としての信頼はガクンと落ちてしまいます。


つまり、受講生の中に「見る目がある人」がいることを、講師側が意識しておくべきなのです。


そのためにも、やはり現場での「管理職経験」「矢面に立った経験」は、講師としてのベースになります。


◆ 「良い現場をつくってきた経験」が事例に深みを与える


管理者として、あるいは主任として、

「どうしたらスタッフが気持ちよく働けるか」

「どうしたらご利用者の笑顔が増えるか」

を本気で考えて、試行錯誤してきた人の話は、やっぱり違います。


介護講師は、理論を語るだけでは足りません。

事例を交えながら、現場と地続きで話せるかどうかが問われます。


そのときに、「私はこういうことをやって、失敗もしたけど、こんな風に立て直していきました」

といったリアルな話があると、受講生の反応がガラッと変わります。


「この人、本当にやってきたんだな」

「うちの職場でもやってみたい」

と感じてもらえるんです。


つまり、良い現場づくりに挑戦してきた人ほど、研修で伝える「事例」に深みと重みが出る。

それが講師としての信頼にもつながっていきます。


◆ 現場経験だけでは、講師にはなれない


もちろん、現場での介護経験は講師にとって大前提です。

でも、それだけでは不十分。


人を育てた経験、組織を動かそうとした経験、スタッフの悩みに真正面から向き合った経験——

こうした「上の立場」の視点が、講師として話す内容に奥行きを与えます。


裏を返せば、

「私は現場で10年やってきたから講師になれますよね?」という問いには、

「それだけでは足りない」と私は答えます。


介護講師とは、現場のリアルと教育のプロの間に立つ、橋渡しの存在。

だからこそ、マネジメント経験を経て、現場の複雑さも、苦労も、人間関係も、制度の矛盾も理解している人が、講師に向いていると思うのです。


◆ 最後に:管理者経験は「肩書き」ではなく「中身」


誤解してほしくないのは、「肩書きとして管理者であること」が大事なのではないということ。

「その立場で何をしてきたか」がすべてです。


たとえ短期間でも、人を育てた、人を守った、現場をよくしようと戦ってきた——

そんな経験があれば、それは講師としての「財産」になります。


逆に、管理者という肩書きだけをもっていても、現場や職員を見てこなかった人の話には、深みがない。


だから、「管理者経験があるかないか」だけを見るのではなく、「どんな姿勢で現場に向き合ってきたか」を、自分自身に問うてみてほしいのです。


介護講師になりたいと考えている人には、ぜひ「マネジメントの経験」「教育の視点」を意識して、現場を積み重ねてほしいと思います。

それが、あとから講師になったとき、必ず強みになりますから。


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